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乾燥の季節

乾燥の季節

東住吉区 針中野にあります小林歯科医院

歯科衛生士の熊本です。

数日寒気の影響で強い寒さですが、お元気でお過ごしでしょうか。

冬は空気が乾燥しています。風邪やインフルエンザの流行もあり、ただでさえ乾燥しているにもかかわらず、鼻が詰まって口で呼吸すると口や喉が乾いてしまいます。

“乾燥”と“歯の病気”は、他の鼻や喉といった疾患と同じ様に切り離せない関係があります。これをお話しするにはいくつかの登場人物(?)のプロフィールをまずは紹介します。

  1. 歯垢  ブログでも度々取り上げているフィルムの覆われている"歯垢”は虫歯や歯周病の原因であるばい菌の心地よい住処です。
  2. 歯   歯は食事にとって不可欠な臓器です。言い換えると「生きていくため」の不可欠な臓器。そしゃく、嚥下、言葉を話すにも必要です。歯の表面はハイドロキシアパタイトというカルシウムを多く含む骨よりも硬い素材で出来ています。歯は、骨と違って菌にさらされます。表面のハイドロキシアパタイトは菌の出す毒素で溶けますが、口の中のカルシウムやリンなどのミネラルを取り込み、再び硬く固まる(再石灰化)という作業を延々と続けています。溶ける→再石灰化→溶ける→再石灰化というバランズが崩れると虫歯になります。
  3. 唾液   唾液のイメージはあまり良くないかもしれません。臭い?汚い?ですが、とても重要な役目をしています。ネバネバ唾液とサラサラ唾液と2種類あります。まずネバネバ唾液は保湿の役目があり口の中の粘膜や舌を守ります。そしてサラサラ唾液は歯や口の中を洗浄する役目があり、食べカスや細菌などを洗い流してくれます。(歯垢は膜で覆われているので、唾液の作用は効きません)

以上が今回の乾燥と口の中の問題に関係してるものです。

まずは口の中が乾燥する=唾液が減っていると置き換えられます。唾液の大切な役目である、保湿や洗浄の力が弱くなります。粘膜や舌がピリピリと痛むことがあったり、ちょっとした傷に細菌が入り込み口内炎ができます。歯にとっては細菌がくっついている時間が増え、歯垢がいつもより早いスピードで出来て歯がザラザラしたり、虫歯や歯周病にかかりやすくなります。そして、再石灰化に必要なカルシウムやリンが歯の表面に唾液によって届けられない状態が長く続くので再石灰化のバランスが崩れる事もあります。

いわゆる虫歯や歯周病が実は口の中の乾燥が原因の一端を担っているということも言えます。口の中の乾燥は空気だけではなく、身体が唾液を出す力自体が弱くなってしまっていることもあります。大人になってから出来てしまう虫歯は意外とそれが要因になっていることもあるようです。

乾燥対策には、まずは水分をこまめに取ること、口を閉じて呼吸できるように鼻づまりなどの問題を解決すること、その上で口の中を保湿する工夫を考えていくと良いと考えます。

乾燥しているかどうかは、ご本人には分かりにくいものです。ちょっとしたことで解決できる場合もあります。是非ご相談ください。