東住吉区針中野にあります小林歯科医院
歯科衛生士の熊本です。
年末年始は過ごしやすい気候に恵まれ、穏やかにお過ごしになられましたか。
小林歯科医院は年始から新しく来院された患者さんもおられバタバタと日々を過ごしています。
さて、今回は歯磨き粉の選び方について記します。
薬局にいくとセール品から少し高価な歯磨き粉まで様々あります。
患者さんに伺うと1000円前後の高価な歯磨き粉を使っておられる方が多いように感じます。歯科医院で専売している歯磨き粉も1000円前後が多いです。よって、最近では値段の事を気にせず、患者さんにあった歯磨き粉をお勧めしやすくなりました。
歯磨き粉選びのポイントを箇条書きに並べてみます。
- 目的 歯磨き粉を使う目的とは、「歯垢を落としやすくする」ということです。ここで間違えやすいのは歯磨き粉で歯垢は取れないということで、歯垢を取るのは歯ブラシなのです。よって歯磨き粉は歯垢を取る補助的な役目しかありません。
- 薬効成分 一般的な歯磨き粉には歯垢を取る研磨剤や泡立ちの為の発泡剤、乾燥を防ぐ保湿剤やハッカなどの味つけなど最低限の素材が入っています。それとは別に歯磨き粉それぞれの特徴として薬効成分が入っています。ここがポイントです。虫歯が気になる方にはフッ素配合がお勧めです。知覚過敏が気になる方には硝酸ナトリウムというミネラル配合の歯磨き粉(一般的にはシュミテクト)がお勧めです。その他、虫歯菌や歯周病菌を殺菌(CPCなど)するもの、歯垢(バイオフィルム)を柔らかくするもの(IPMPなど)、歯ぐきの痩せを予防するもの(研磨剤フリーなど)、ハッカのような刺激を極力抑え乾燥を防ぐものなど様々あります。最近では、エナメル質を作っているミネラル配合でエナメル質を強くすることで、虫歯にも知覚過敏にも、着色予防にも対応できる最強の歯磨き粉があります。
- 味 味がいやなら歯磨きがきちんとできませんので、これも大切なポイントです
簡単ではありますが、歯磨き粉選びのポイントを挙げました。
また、歯科関係者の立場から使用してはいけないとされる市販品の歯磨き粉や歯科衛生士の敵にもなりうる歯磨き粉もあります。
ただ患者さんとお話していると、ご自身で思っていらっしゃる口の中の問題と実際の問題が違っていてもっとその方にあう歯磨き粉があるのにな〜と感じる事があります。それに、「いい歯磨き粉を使っている」という安心感があって実際には歯垢が取れていないという場合もあります。
大切なのは、歯ブラシで歯垢を落とすために、その手助けとして歯磨き粉を使うという大前提を忘れず、ご自身の口の中の問題にあった薬効成分を選び、正しく使用できているかということなのです。
自分にあった歯磨き粉を選ぶというのは自分の口の中を知る事になります。年齢によっても病気の種類によっても歯や歯ぐきのタイプによっても様々変化していきますので、是非一緒に考えさせていただけると幸いです。