歯垢のはなし|ブログ一覧|大阪市東住吉区の歯科・小児歯科なら小林歯科医院

歯垢のはなし

歯垢のはなし

東住吉区 針中野にあります小林歯科医院

歯科衛生士の熊本です。

歯科衛生士の仕事は口の中の衛生を担当しています。

「担当」というのはいい表現で、決して「クリーニングをするだけのヒト」ではありません。もちろんクリーニングはしますが、毎日の歯磨きに勝るものはありません。患者さんが毎日の歯磨きをしやすいように歯のコンディションを整えたり、歯磨きの道具や方法を伝えることがメインの仕事、いわば「歯や口のトレーナー」です。トレーナーは主役である患者さんがおいしく快適に食事をして歯磨きができることを目的として働いています。

今回は虫歯や歯周病の原因である「菌」の住処(すみか)である歯垢のお話です。歯垢とはプラークとかバイオフィルムという言い方もあります。そこにはとーってもたくさんの種類の菌がとーってもたくさんの数います。それらが共存して(認め合って)生きるために膜(フィルム)をつくり、その中で暮らしています。その膜は水も養分も通り抜けることができ、彼らは快適に過ごしています。快適に過ごしたあとは、菌によっては毒素を吐き出したりしながら増殖し、フィルムごと大きくなったり、フィルムごと独立したりしていきます。

私たちは歯磨きでそれらをやっつけます。簡単そうで簡単でない作業なのは、歯垢の膜(フィルム)が原因の1つです。フィルムなので、歯ブラシで破壊しなければいけません。子供たちには1カ所に10回ずつ擦る(こする)ように伝えています。10回とはなかなか根気のいる作業です。

小林歯科医院では歯垢染色をして、磨き残し率を出したり、磨き残しやすいところ(磨きが弱いところ)を患者さんにお伝えしています。赤く染まった部分を歯ブラシで擦ってきれいになるのにはやはり10回程度かかります。

膜でヌルヌルに感じる歯垢をキレイにすれば、ツルツルのエナメル質が見えてきて舌ざわりもいい感じです。

時間をかけるのがおっくうかもしれません。ただ、歯は毎日3食おいしく食事をいただくための道具です。食事は元気な身体を作る素です。「おいしい」と思える事はストレス発散です。24時間のたった数分間のケアで歯に「ありがと。これからもよろしく」のメッセージとしての歯磨きをしてあげることで、歯は一生つき合ってくれるかも(!?)しれません。